商業地:三大都市圏では地価は上昇傾向にあるが、地方圏では上昇傾向または横ばいで推移している。
商業地指数の「現在」は、東京圏が63.6、大阪圏は52.2、名古屋圏は66.7となりました。前回との比較では、東京圏が50.6から上昇、大阪圏は45.6から上昇、名古屋圏は44.6から上昇し、いずれの圏域でも指数は50.0(横ばい)を上回っており、地価が上昇傾向で推移しました。また、「先行き」は東京圏が60.8、大阪圏は57.4、名古屋圏は65.1で、東京圏、名古屋圏では上昇幅が縮小しています。
この2年間、日本経済は新型コロナウイルス感染症問題に振り回されてきました。
2021年夏以降、ワクチンの効果や国民の予防意識の高まりも相まって感染者数は落ち着きを見せ始め、やっと出口が見えたようにも思われました。しかし、年末にはより感染力の強いオミクロン株が出現し、状況は振出しに戻ってしまいました。また、海外ではロシアによるウクライナ侵攻により原油価格等が上昇し、企業収益の下げ圧力が強まっています。
不動産市場においても、政府の経済政策等を平常時以上に注視し、地域や用途に応じた慎重な分析が求められるようになっています。
なお、コロナ禍においても建替え等に伴う大型テナントの移転も見受けられますが、こうした動きはコロナ以前に計画があったものであり、実際には企業の移転が先延ばしになっているケースも出始めています。
住宅地:三大都市圏及び地方圏ともに地価は上昇傾向にある。
住宅地指数の「現在」は東京圏が75.0、大阪圏は58.8、名古屋圏は70.0となりました。前回との比較では、東京圏が61.4から上昇、大阪圏は52.7から上昇、名古屋圏は64.3から上昇しています。商業地と同様に、いずれの圏域でも指数は50.0(横ばい)を上回っており、地価は上昇傾向で推移しています。ただし、「先行き」は東京圏が64.2、大阪圏は59.5、名古屋圏は61.7で、東京圏、名古屋圏では上昇幅が縮小しています。
今回の調査結果では、全国的に優良住宅地は大きな影響を受けていないことがわかりました。しかし、それ以外の住宅地では地価は引き続き下落傾向が続いています。リモート・ワーク等の普及により、郊外部や新幹線通勤圏の戸建需要が高まっている一方で、住人の高齢化が進む旧来からの住宅団地等では回復の兆しが見られません。
現在抜粋版を表示しております。さんゆう資料室会員の方はログインして頂くと完全版をご覧頂けます。 |
また、会員で無い方もさんゆう資料室会員(無料)のご登録を頂ければご利用頂けます。 |