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不動産鑑定業界分析(平成21年度)

環境変化

不動産鑑定業界はいわゆる不動産バブルの発生と崩壊によって大きく経営環境が変化した。その環境変化は鑑定依頼者側の需要に関し下記の変遷として現われたと見られる。
・バブル以前から最初のバブルにいたる過程では、官公庁、地方自治体、公庫、公団等の公的機関が主たる発注者で、主に土地収用等に絡む評価が主流であった。
・バブル崩壊以降は、金融検査体制の確立により金融機関の資産査定が厳格化し、金融機関の外部評価(不動産鑑定士による評価)需要を増大させた。
・平成5年より固定資産税のための地価の鑑定評価が導入された。
・民間側からは鑑定業務の新規分野の需要拡大、特に、外資系金融機関の営業本格化、サービサー業界の発展、リート市場の伸張による量的拡大があったし、官公庁業務の透明性確保のための入札制度普及による変化もあった。また、デューディリジェンス評価は鑑定評価方法に質的変化をもたらした。
・不動産鑑定業の周辺業務として機械化による評価(ASP:インターネット上で行う鑑定システム)や先例、売買事例等の情報提供が一般化した。

不動産鑑定業界の推移

上記のような環境変化から、不動産鑑定業者の業績は、
・平成4、5年までは経済の発展、バブル化を反映して右上がりの順調な推移であった。
・その後、バブルの崩壊を反映して鑑定件数、報酬単価とも低落した。この時期、金融機関の不良債権の外部査定に伴い民間からの鑑定評価需要の増大があったが、鑑定業者の業績の低下を一部緩和するにとどまった。
・H10年以降、民間からの新規分野の需要が増大していることや公的セクターからの鑑定目的「課税」の需要増大により鑑定業者の業績は緩やかな回復基調にあった。ただ全体的に報酬単価は低廉化を続けている。
・ここ数年取扱件数・報酬額いずれも減少が続いていたが、H21年も、前々年(H19年)に比べ取扱件数が減少し報酬額単価の低下により報酬額も減少した。H20年(3年に一度の特殊年)も前回(H17年)に比べ件数・報酬額いずれも減少している。サブプライム問題・リーマンショックに端を発した経済不況が続く中今後の動向が注目される。

鑑定業者の状況

最近の不動産鑑定業界は下記の状況にあると見られる。
・小規模または個人鑑定業者においては民需が確保できない分だけ官公需依存がますます進む一方、規模縮小と報酬額減少が続く。
・鑑定種類別の報酬単価の下落と低報酬単価の鑑定種類のウェイト増大で、1業者当たりの報酬単価の低廉化が進む。
・寡占化が進むとともに、営業会社と地場の鑑定評価会社の分離が進むであろう。
・大手鑑定業者はその資金量と情報量を生かし、コンピューターを活用した情報提供を積極化する。

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