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三友地価予測指数(2020年9月調査)

商業地:東京圏と大阪圏では下落基調が強まり、名古屋圏も引き続き下落基調にある。

 商業地指数の「現在」は、東京圏が44.1、大阪圏は35.7、名古屋圏は33.4となりました。前回(6月の緊急調査)との比較では、東京圏が47.6から下落、大阪圏も40.2から下落、名古屋圏は25.0から上昇しましたが、下落傾向にあることに変わりはありません。また、「先行き」は東京圏が33.5、大阪圏は30.3、名古屋圏は27.1と、地価はさらに下落するリスクが高まっています。

 夏場には勢力を弱めることが期待された新型コロナウイルスですが、1日あたりの感染者数は8月に過去最高を更新し、現在も小康状態が続いています。これから冬場にかけて、感染者数が再び増加すれば、重症者が増えて医療体制に過度な負担がかかる心配があります。

 不動産市場では、新型コロナウイルスの感染拡大から半年以上が経過し、様々な変化が生じ始めています。一番の特徴は、アセットタイプによってダメージの程度が大きく異なっていることです。最も大きなダメージを受けたのは、ホテルと店舗(特に飲食店)です。ホテルは、客室単価を下限まで下げても稼働率が上がらないケースが多く、店舗は都市部を中心に解約や家賃の減額交渉が多発しています。逆に、ダメージが少ないのは物流施設と住宅です。特に、物流施設はもともと高齢化社会の進展に伴ってニーズが高まっていましたが、在宅勤務の普及や実店舗から客足が遠のいたことを受けて、今後も市場は拡大する見込みとなっています。住宅に関しては、もともと消費増税の影響で新築物件の売れ行きは鈍っていましたが、現時点では販売価格や賃料水準に大きな変化はなく、市場では様子見の状態が続いています。最後にオフィスですが、東京ではコロナ以前から今後の大量供給によって賃料は10~15%下がるとの見方が大勢を占めていました。さらに、コロナ禍で企業業績が悪化すれば、賃料は当初の予想を超えて下がる可能性も否定できません。

住宅地:全体として下落基調は弱まっているが、先行き不透明感が強まっている。

 住宅地指数の「現在」は、東京圏が47.4、大阪圏は48.2、名古屋圏は47.9となりました。前回(6月の緊急調査)との比較では、東京圏が42.0から上昇、大阪圏も44.6から上昇、名古屋圏も39.3から上昇しましたが、下落傾向にあることに変わりはありません。また、「先行き」は東京圏が35.9、大阪圏は38.4、名古屋圏は33.4と、地価の不透明感が強まっています。

 この数年、なかなか前に進まない空き家の問題ですが、在宅勤務の普及を契機として空き家をオフィス住宅として活用することはできないでしょうか?デベロッパーや建売業者も、これから新築物件を仕込むくらいなら、空き家を中心とする中古住宅の再生にも目を向けてほしいと思います。

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