増加傾向にあるテキサスの不動産投資
最近よく耳にするテキサスへの不動産投資。 日本の金融機関も今年の初めあたりから日本人投資家(個人の富裕層)向けの融資を開始しました。当社のお客様である金融機関からも、米国不動産への担保設定や売却処分の方法、今後のマーケット、 他行の動向等に関して相談が増えています。
従来、米国不動産投資といえば、ハワイ、カリフォルニア、二ユーヨークが投資先として選好されていましたが、最近は、人ロ増加、割安感(コンドミニアムや戸建ての価格は1,000万円~3,000万円が相場)、トヨタやクボタ等の大手日系企業の進出による賃貸需要の増加等により、ヒューストン(人口231万人/2017年)、ダラス(同134万人)、オースティン(同95万人)といった都市を中心にテキサスが投資先として注目されています。
現地パートナーの発掘
当社のテキサスにおける不動産鑑定の受注件数も増加傾向にありますが、 ご依頼者のリクエスト(特に納期)に応えるために、信頼できる現地鑑定業者を発掘することに努めています。当社では、海外ビジネスを成功するための最も重要な条件は、「信頼のおける現地パートナーと提携し、良好な関係を築くこと」と考えておりますので、新規提携希望の鑑定士とは、必ず”Face to Face”で面談し、現地マーケットへの精通度合い、評価書のクオリティや納期管理は勿論のこと、我々と同じプロフェッショナルマインドで仕事に向き合える鑑定士であるかを吟味し、提携網を広げています。
最寄り駅に近いことがマイナス要因!?
そうは言っても、不動産鑑定の世界も日米間で全く同じというわけではなく、特に不動産の価格形成要因を把握する際に、対象エリアの個別事情を理解することに大変苦労しています。例えば、価格形成要因の一つに「最寄り駅への接近性」という項目がありますが、一般的には、最寄り駅に近いほど価格にプラスの影響を与えると把握されています。また、将来、新駅が計画されているエリアは、利便性や繁華性が高まると予測できるため、一般的にはプラス要因として考えられています。一方、ダラス北方のプレイノやリチャードソン、フリスコ等の高級住宅地では、治安の良くない地域から人の流入が容易になる点から、排他性を確保するために、これらの要因はネガティブに考えられる場合もあるそうで、新駅開通等の計画に関しては、周辺住民の反対運動さえあるようです。いかにもアメリカらしい考え方だなと思います。これらの案件は、地域分析の重要性を再認識させられる良い事案でした。
次回は、テキサス不動産投資のリスク・リターンについてお伝えします。
当社は米国大手の不動産鑑定業者であるジョセフ・J.ブレーク・アンド・アソシエイツ社と長年にわたって業務提携しています。アジアにおいても、タイのAREA社、韓国のDAB社、ベトナムのTMSコンサルタンシー社といった実績のある大手不動産鑑定業者と業務提携し、お客様のニーズをグローバルな体制でサポートします。
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