カンボジアの友人からプノンペンの不動産市場についてのセミナーへの出席の誘いがあり、せっかくの機会なので、3月末の大変忙しい時期にもかかわらず、カンボジアに行ってきました。そのセミナーとは、以前このコラムでもご紹介した、カンボジアの大手不動産鑑定会社、VTrust Appraisal主催の「プノンペンの2030年代:不動産セクターにおける10の予測」(“Phnom Penh 2030s: Ten Predictions for Real Estate Sector”)です。
登壇者は、私の友人でもある同社の市場調査部長を務めるホエム セイハ氏、弊社のタイにおける提携先であるAgency for Real Estate Affairs代表のソポン博士等です。
今回のセミナーでは、プノンペンにおける地域別の人口の構成等を基礎に調査を行い、今後のプノンペンの不動産市況を予測していました。プノンペンの人口は、2018年時点で約200万人、Vtrust社は、2030年までに265万人になると予測しています。特にプノンペン都心周辺部の地域の過去20年間の人口増は最も顕著で、この傾向が今後も続くと予測しています。
プノンペンの現況
プノンペンの街を歩いてみると、小さな子供を連れた若い夫婦を多く見かけます。プノンペンの人々の収入は、まだまだASEAN最低レベルですが、親、子、孫の三世代が同じ屋根の下に住む文化があり、購買力は3倍、共働きであれば5、6倍ということも珍しくないそうですので、侮れません。
日本の大手小売りであるイオンも2店目となるイオンモール セン ソック シティを成功させ、3店目を着工しています。プノンペンのイオンは日本での店づくりと異なり、日本を体験できる高級かつ体験的要素の強い作りで、日本のデパートと遊園地が合わさったような特別な場所です。
カンボジアに着いて最初に驚くのは、英語が広く通じることです。また、米ドルが広く流通しており、これも新興国の為替差損を気にする外国人投資家にとっては非常に魅力的です。プノンペンには英語を学ぶことのできる幼稚園から英語専攻の大学まで英語を学ぶ機会が多く、私の友人の話では子供とは全て英語で会話するようにしているなど、日本よりもよほど英語熱が高いと感じました。自国の市場規模が小さく、一人当たりのGDPもASEAN10カ国中9位にとどまるカンボジアでは、必死に資金力のある外国からの投資や旅行者を引き寄せる努力がここにも見られます。
プノンペンでは、昨年4月のタイの提携先でのセミナーで知り合った級友にも再会することができ、旧交をあたためました。彼らは、30代前半にして既に会社の代表や役員クラスで、もちろん英語も非常に堪能で大変頼りになります。次回は、そんな優秀な鑑定士の友人たちと一緒に仕事をするような出張にしたいものです。
当社は米国大手の不動産鑑定業者であるジョセフ・J.ブレーク・アンド・アソシエイツ社と長年にわたって業務提携しています。アジアにおいても、タイのAREA社、韓国のDAB社、ベトナムのTMSコンサルタンシー社といった実績のある大手不動産鑑定業者と業務提携し、お客様のニーズをグローバルな体制でサポートします。
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