一般的に融資期間は長期に渡るため、担保不動産は長期に渡って価格や収益が変動しない確実なものであることが望まれます。といっても変動しないことはほぼ不可能なので、これが一番難しいかもしれません。
担保不動産は、債権が回収されるまでの長い期間にわたって債権保全の拠り所となるものですから、換価処分をするときに当初評価額より大幅に低落する可能性があるものは好ましくありません。よって、時の経過に従って、物や権利が自然に劣化する可能性の高いもの、あるいは、物や権利の良好な状態を維持、管理することが困難な不動産は、基本的に担保不適格といえます。
また、大規模工場の閉鎖により入居者が激減する可能性のある賃貸マンションなど、物件そのものだけでなく、広く一般の経済情勢や地域の状況などについても注意しておく必要があります。そのためには定期的な物件のモニタリングやマーケット動向の調査が欠かせません。
出典:担保適格性と不適格性|九段研社長 神山オフィシャルブログ
1965年生まれ。栃木県足利市出身。株式会社三友システムアプレイザル 取締役、株式会社九段経済研究所(当社子会社) 代表取締役。不動産鑑定士、MRICS。主な著書に「金融マンのための担保不動産の見方・調べ方」などがある。趣味は落語、競馬、ゴルフ、トライアスロン。