投稿者「神山 大典」のアーカイブ

神山 大典 について

1965年生まれ。栃木県足利市出身。株式会社三友システムアプレイザル 取締役、株式会社九段経済研究所(当社子会社) 代表取締役。不動産鑑定士、MRICS。主な著書に「金融マンのための担保不動産の見方・調べ方」などがある。趣味は落語、競馬、ゴルフ、トライアスロン。

担保の適格性 ー 実務における適格性のチェックポイント

謄本(全部事項証明)や公図

 買い戻し特約の(仮)登記の有無、所有権移転請求権の仮登記の有無、借地権・地上権・地役権等の設定権利の有無、土地や建物の所有権者と融資申込人が同一か、土地の地目が「田」「畑」ではないか、第三者の土地の介在の有無、登記簿面積と実測面積に大幅な差はないか、などをチェックします。 続きを読む

担保の適格性 ー 管理の容易性

 前述した3つの原則以外に、「管理の容易性」という原則も必要です。一般的に金融機関では、その営業区域内に担保不動産があることが原則です。担保不動産が営業区域外や遠隔地にあると、知らないうちに担保建物が取り壊されるなどというような担保価値を毀損させる行為が行われたとしても、目が届かないためにそのまま放置される危険性があるからです。 続きを読む

担保の適格性 ー 市場性(流動性)の原則

 担保不動産は、できるだけ換価処分が容易なものが望ましいとされており、3つの原則の中で市場性が最も重要なものと考えられます。安全性や確実性についても、広い意味で市場性に包括されるものでしょう。したがって、市場性がなく処分が困難と考えられる物件は、担保不適格といえます。例えば、無道路地や崖地、墓地、管理費・修繕積立金の滞納が多額のリゾートマンション、地方の老朽化したアパートなど。現在では、高齢化に伴う空き家の増加から、引き取り手のいない不動産が増加しており、売却は非常に困難なようです。 続きを読む

担保の適格性 ー 安全性の原則

 担保適格性とは何でしょうか。まず、「担保」とは、「貸出債権を確実に回収できるようにするための債権保全手段」ですので、処分できることが大原則です。

 処分できるにしても、著しい減価が生じないこと、そもそも市場性があること、そして、勝手に誰かが家を建てたりすることがないよう、現在の状態が確実であることが必要です。これらは、担保適格性の3つの原則として「安全性」「市場性(流動性)」「確実性」といわれています。 続きを読む

なぜ金融機関は不動産を担保に取るのか?

 金融機関は、通常、企業や個人から余剰資金を集め、それを原資として資金が不足している企業や個人に融資を行います。融資時には安全性や合法性等の観点から審査し、融資を実行するわけですが、企業であれば不況、個人であれば失職などにより返済が滞る場合があります。金融機関では、このような場合でも貸出債権が確実に回収できるようにするため債権保全を図るわけですが、この債権保全手段として「担保」があるわけです。 続きを読む

地番と住居表示

 地番とは、土地の登記上、一個の土地として個別に特定するために付された番号で、住居表示とは異なります。

 住居表示とは、一般的に、○○区○○丁目○番○号と表示されるもので、住居表示に関する法律に基づき区市町村が定めます。また、住居表示が実施されている区域と実施されていない区域があります。

 住居表示が実施されている区域でも、登記上は地番で表示されています。 続きを読む

不動産の価格

 不動産の経済価値は、価格としても表示されますが、賃料としても表示されます。そして、ひとつの不動産の上には所有権、賃借権などの複数の権利が存在することが可能であり、それぞれの権利について価格や賃料が形成されます。 続きを読む

不動産とは何か?

 私たちは家に住み、会社で仕事をしたりしていますが、その家や会社がすべて不動産です。外国では船の上で生活している人もいますが、日本ではお目にかかりませんね。家は一軒家だったり、マンションだったりします。会社は多くがビルの中にありますね。また、家族でごはんを食べに行くお店も不動産です。 続きを読む