コラム」カテゴリーアーカイブ

不動産の価格

 不動産の経済価値は、価格としても表示されますが、賃料としても表示されます。そして、ひとつの不動産の上には所有権、賃借権などの複数の権利が存在することが可能であり、それぞれの権利について価格や賃料が形成されます。 続きを読む

不動産とは何か?

 私たちは家に住み、会社で仕事をしたりしていますが、その家や会社がすべて不動産です。外国では船の上で生活している人もいますが、日本ではお目にかかりませんね。家は一軒家だったり、マンションだったりします。会社は多くがビルの中にありますね。また、家族でごはんを食べに行くお店も不動産です。 続きを読む

私とアパートローン

 2015 年の相続税改正に伴い、一般に節税効果が高いとされるアパート建築が加速し、アパートローンは金融機関の主要な収益源のひとつとなりました。しかし、人口減少社会の日本でこのまま建築ラッシュが続けば、いずれはアパートの大半は空室だらけという事態(いわゆる大空室時代)を招くことにもなりかねません。そうなれば、もともと土地を持っていた地主層はともかく、家賃収入を見込んで土地建物のローンを組んだサラリーマン大家層はデフォルト(債務不履行)状態に陥り、大量の不良債権が発生することになります。その手始めなのでしょうか?春先には女性専用のシェアハウス業者が経営破綻し、資料の改ざんや、改ざんを認識しながら融資を実行していた金融機関の経営責任が大きな社会問題となっています。 続きを読む

カンボジアで今最も熱いプノンペン・ダンカオ区の不動産マーケット

普段通りオフィスのパソコンに向かっていると、携帯電話のSNSにカンボジアの友人からファイルが送られてきました。
その友人は今年の4月に当社のタイにおける業務提携先であるAREA社の勉強会で出会ったカンボジアの大手不動産鑑定会社、VTrust Appraisal社で市場調査部長を務めるホエム・セイハ氏。ファイルの内容は、今、カンボジアで最も熱いプノンペン・ダンカオ区のマーケットレポート(Dangkao District:Property Market Review Q1 2018)でした。 続きを読む

テキサスの居住用不動産の評価について

増加傾向にあるテキサスの不動産投資

最近よく耳にするテキサスへの不動産投資。 日本の金融機関も今年の初めあたりから日本人投資家(個人の富裕層)向けの融資を開始しました。当社のお客様である金融機関からも、米国不動産への担保設定や売却処分の方法、今後のマーケット、 他行の動向等に関して相談が増えています。 続きを読む

グロスとネット

 不動産のバリュエーション(評価)に際しては、「グロス」(gross:総体の)や「ネット」(net:正味の)という言葉がよく使われます。両者は、どちらが望ましいというものでもないのですが、前提条件を間違えて議論をしていると思わぬ誤解を招くことになります。今回は、両者の概念が併存する収益査定項目について考えてみました。 続きを読む

私のバリューアップ

 このところ、古くなったオフィスビルを高級賃貸マンションに建て替える話や、低迷する中古住宅市場を活性化するための施策等に関する話をよく耳にします。オフィス市場(東京)では、2020 年に向けて大型ビルの大量供給が続きますが、最近は中型でも設計や設備水準に優るビルは稼働率が高まっています。こうしたビルは、周辺相場と比べて賃料は割高になりますが、人材獲得面でのプラス効果等を見込んで入居する中堅企業が増えています。また、オフィスに関しては、働き方改革の一環で執務スペース内にカフェを設けて他部門との交流を図ったり、ベンチャー企業が中心のシェアオフィスでは共用会議室を充実させて異業種企業間の交流を図るような取組みが行われています。 続きを読む

ワンルームマンションNOI利回りアンケート雑考(2018年)

 当社では毎年末、提携する全国の不動産鑑定士に対してワンルームマンションのNOI利回りに関してアンケート調査を実施している。

最小値である東京山手線内は3.0%台に突入

 最小値は前回同様「東京山手線内」で、前回調査時点の4.1%から0.2%低下して3.9%となった。次いで「東京その他23区(山手線外)」が4.5%(前回は4.6%)、「東京23区外」が5.1%(同5.2%)、昨年4位の「大阪市」と5位の「横浜市・川崎市」は5.3%で並ぶ結果となった(同大阪市5.4%、横浜市・川崎市5.5%)。なお、上位にランクインした地域は以下のとおりである。

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私はどうなるAI社会

 2017年は、人工知能(以下、AI )が大きな注目を集めました。将棋や囲碁等の話題をはじめ、連日のようにマスコミで取り上げられ、今も産業界の各方面でその研究が続けられています。

 AI の研究は、音声・画像・言語・情報・推論等の様々な分野に及びますが、研究は大きく二つの立場に分かれます。ひとつは「人間の知能そのものを持つ機械を作ろうとする立場」、もうひとつは「人間が知能を使って行う作業を機械にやらせようとする立場」です。「人工知能」という言葉からは前者を連想しがちですが、実際には、研究の大半は後者の立場に立っています。つまり、AIは自分で何か新しいことを考えるのではなく、特定のデータに基づく行動パターンを習得していることになります。ただし、いわゆるディープラーニング(深層学習)の能力を持つAIは、物体の特徴を自力で学習し、人間と同じように物体を識別することができます。 続きを読む